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【特集】さあ、台湾の駅舎をめぐる旅へ出かけよう③

10.彰化(ジャンホア)站

1905年、新竹から南へ伸びる路線上に増設された。

竹南駅から分かれた「台中線(山線)」が台中駅、成功駅を通り、この駅で再び合流する。

駅の北側にある「扇形車庫」は1922年に造られたもので、転車風景を見るために多くの観光客が訪れる。

なお扇形車庫の見学は月曜休み。

駅舎自体は地方駅らしいシンプルな建築だが、そびえる4本のヤシの木が南国感満点

かつて台北、新竹、高雄、嘉義にもあった扇形車庫、今ではここ1カ所だけ

毎年「鉄道フェス」の時期には旧SL車両もお目見え

・彰化車站
住:彰化縣彰化市三民路1號

11.集集(ジージー)站

1930年築、1999年の地震で半壊し復元された。

彰化と嘉義のちょうど中間に位置する「二水」駅から東へ伸びる「集集線」6駅の4駅目。

南投県の山間の駅とあって、こぢんまりとした明治期の地方駅を思わせる。

こちらも屋根は瓦、壁は白い木造と和洋折衷の風情

改札口も、昭和初期の日本映画で別れの場面に出てきそう

駅前にはSLが展示され、鉄道資料館も併設されている

・集集車站
住:南投縣集集鎮

12.台南(タイナン)站

台南はオランダ東インド会社が入り統治していたため、欧米風の建築物が多い。
駅は1900年に開業、現在の駅舎は1936年に建てられた2代目となる。

2017年3月に「台南市区鉄道地下化計画」が始動、現在はシートに覆われていることが多い。
計画は2024年までに完了する予定で、完了後も旧駅舎は歴史的建造物として保留される。

昭和期に建てられたものの、駅舎は欧米風の白い洋館。駅前には鄭成功の彫像が立つ

駅内にもかわいらしい緑のアーチ窓

駅前の中山路を南西に下ると現れる「国立台湾文学館」。かつて台南州庁だった建物を再利用した

山口県出身の林方一氏が1932年に創立した百貨店。現在は各地のお土産などを販売する。旧式のエレベータは一見の価値あり

さらに並んで立つ老舗レストラン「度小月」はこちらが本店。名物「擔仔麵」と「魯肉飯」は創業当時からの変わらぬ味を保っている

・台南火車站
住:台南市東區前鋒路210號

13.保安(バオアン)站

台南市の南東郊外にある小さな駅。
日本統治も終わりに近づく明治期の1942年に建てられた。

北に台南駅を含む3駅上った「永康」駅から切符を買い求め、縁起物として保存する人が多いという。

サトウキビから砂糖を作る製糖業の輸送用駅として活躍した

永康駅からの切符は「永保安康」で、永久に平和と健康が守られる、という意味になる

私設の美術館「奇美美術館」。西洋美術所蔵品は台湾最多、中でもヴァイオリンは世界最多を誇る

駅の西側には台湾におけるユダヤ人の歴史資料館「台湾Holocaust和平紀念館」も

・保安火車站
住:台南市仁徳区

14.高雄(ガオション)站

現在の駅舎は1941年に建てられた3代目。
こちらも鉄道の地下化計画のため新駅舎裏手に移設され、地下化が完了次第元の場所に戻し入り口部分を担うことになっている。

なお新駅の建設と地下化計画は2023年までの予定で、
2018年10月にオープンしたアジア最大のアートセンター「高雄衛武営芸術中心」と同じオランダの建築家・フランシーン・ホウベン氏が手掛ける。

日本の城のような重量感ある旧駅舎、実はJR奈良駅によく似ているという

防波堤のような形をした「旗津半島」へ渡る船着き場付近はかき氷店がズラリ

西側海岸部に拓かれた旧市街の中心には「旧英国領事館」跡も

1918年築の灯台。まるで教会を思わせる

・高雄火車站
住:雄市三民區建國二路320號

15.竹田(ジューティエン)站

高雄から南を回り内陸へ入ったこの駅は1919年に運用を開始。
現駅舎は2013年のものだが、斜め向かいに旧駅舎が残る。

旧名を「頓物」駅といい、日本統治時代には農産物の出荷駅として繁栄し、駅舎内に旅館や公衆浴場まで併設されていた。
現在でも浴場跡を見ることができる。

裏手の浴場跡と古井戸。お化けが出てきそうな…