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【食道をゆく】滷味(ルーウェイ) ~~四川省都江堰市~

滷味(ルーウェイ)

~~四川省都江堰市~

台湾の夜市など屋台メニューの中で定番中の定番、それが「滷味」。

肉や野菜、豆腐類に練り物、果ては麺やビーフンまで好きな具材を選び、醤油ベースの汁でグツグツと似てもらう「台湾式おでん」ともいえるものだが、そのルーツははるか昔、2000年前の四川省が発祥だった。

時は紀元前220年頃の秦朝、当時の皇帝・秦昭襄王によって現在の成都一帯の太守に任命された李冰という男がいた。

李冰は非常にまじめに仕事に取り組み、息子の李二郎を伴い、今も残る灌漑施設「都江堰」を築いたことで知られる。

当時、皇帝が領土内を旅する際、鶏肉や鴨肉、魚のおいしい部位は皇帝に捧げられ、残りが供の役人らに分けられた。

李冰はこの余った食材に、仕事の傍ら発見した塩田の塩と、当地の名物である中華山椒「花椒」を加え滷味を編み出したという。「滷」とは醤油や塩で煮込んだもののこと、「滷味」は「滷薄的味道」、即ち健康によい薄味の煮込み料理のことを指す言葉から名付けられた。

弱火でコトコトと時間をかけて煮込むことで保存性も高まり、旅にぴったりの食事となったようだ。

台湾の滷味は店によって味が異なり、出来立てのアツアツから熱をとった冷菜風のものまでさまざま。

台湾人に尋ねると「どこどこのがおいしい」とお気に入りの店が1つ2つと出てくる。

持ち歩きにも便利な滷味、食べ比べてお気に入りを見つけたい。