台湾を10倍楽しむための最新情報誌!!
2018.7.6
「熱炒」とは、伝統的な台湾式居酒屋のこと。
店頭にズラリと並んだ氷漬けの貝やカニ類、水槽で悠々と泳ぐ魚たち。
新鮮でおいしい海鮮や肉をチープに食べるなら、熱炒に行くしかない!
「近頃の若者は酒を飲まなくなった」というのは、日本も台湾も同じ。
それでもやはりおいしい料理を楽しみつつお酒を飲みたい! という声は根強く、 「熱炒(ルーチャオ)」または「快炒(クワイチャオ)」と呼ばれる台湾式居酒屋はいつも賑わっている。 熱炒の店舗はあちこちにあるが、いずれも1本の通りの両側に密集していることが多く、 そこは〝熱炒ストリート〟などと呼ばれる。
実はこれは条例や建築法などが関係しており、熱炒店を開ける条件の整った通りが少ないため、 このように密集したエリアが点在することになる。
さて、熱炒店で何をオーダーするべきか。
いずれの店も店舗前に魚やエビの泳ぐ生簀が設置してあったり、氷漬けの魚介が並んでいたりする。 毎朝漁港や市場から仕入れる素材は新鮮そのものだが、値段はもちろん時価。
けっこうな高級魚も混じっており、聞くと重さ当たりの価格を言われることが多いので、 1匹でいくらなのかきちんと確認してからオーダーするのが吉だ。
エビは茹で、蒸し、揚げ、魚類は蒸し、焼き、煮込みなど調理法も選べる。 このへんは筆談でも十分通じるだろう。
オーダーは専用のシートを用意されていることが多く、メニューの数は1枚の紙にビッシリというボリューム。 初心者はこの中から選ぶ…のは辛いので、どの店にでもある基本的なメニューを紹介しよう。
四川料理の1つ。茹で豚とキュウリにニンニク醤油を絡めた前菜。
代表的な台湾料理。豚肉とスルメイカの細切りとセロリにニンニクやトウガラシを加えた炒めもの。
ピーナツが入った香ばしい調味料「沙茶醤」で牛肉を炒めた料理。
骨付きスペアリブ(豚肉)を揚げて塩コショウを絡めたもの。ビールにピッタリ。
「下巴」は下アゴのこと。つまり魚のカマを焼いたもの。台湾風味の塩コショウで。
四川や重慶の料理。白身魚をモヤシとともにトウガラシ油で煮込んだもの。それほど脂っこくない。
「龍珠(タコの口)」を揚げ塩コショウで和えたもの。ビールが進む。
卵豆腐を揚げて海鮮あんかけを絡めた鍋料理。薄味でさっぱりと。
豆腐の発酵食「腐乳」と空芯菜の炒め。塩分が効いて酒のつまみに◎。
酒・ラード・醤油各1:1:1で鶏肉を煮込んだもの。台湾バジルの香りが旨味をアップ。
鶏コマとピネギを醤油とトウガラシでざっと炒めたもの。ピリ辛でご飯が進む。
タケノコの冷製(前菜)。春~夏のタケノコは甘くておいしい。
日系飲み屋街が近いこともあって、日本人が最も多く訪れる 長安東路の熱炒ストリートの端に位置する「鮮納肚」。
店名は「新鮮なものをお腹に納める」の略と、 「桃源郷」を意味する英語の「xanadu(ザナドゥ)」をかけたもの。
写真の料理はいずれもオーナーのイチオシ。
「秦檜鬥包公」は実のところ、朝食としてよく食べられる揚げパン 「油條(ヨウティアオ)」とピータンを炒めたもの。 ピータンの出汁が油條に沁みて、まろやかな味に。
料理名は油條の由来となった南宋の宰相「秦檜(しんかい)」と、 ピータンを顔の黒い道教の神様「八爺」に見立てたことから。
店名といいこの料理名といい、オーナーはもしかしてかなりのインテリ!?
大きな蒸しエビは、紹興酒「花彫」で香ばしく。 四川料理としてよく知られる「水煮牛肉」は脂っこそうに見えて味はさっぱり。 辛さも調節できるので、オーダー時に「微辣」、「中辣」などと伝えてみて。
「板條蒸蝦」の板條とは台湾名物の太い麺のこと。 この麺は米を原料とし、蒸して作られる。 オーナーによると、こちらの店では一度蒸してからひっくり返し、全体を均一に蒸しているんだとか。 そのため歯応えが台湾式に言えば〝QQ〟、つまり弾力があってつるりとのど越しもよい。
魚や貝類などは店舗前に並んでいる。 「龍虎斑」とはハタ科の魚で、柔らかくプリプリとした白身が魅力。 ただし少々お高いので要注意。
写真入りの日本語メニューもあり、なんと朝5時までの営業。 心置きなくたっぷり飲んで食べて。
住:中山区長安東路一段51之3號
電:02-2511-9222
営:11時半~翌5時
U:xanadu2711.pixnet.net/blog
FB:xanadutw
観光&ショッピングスポットで人気の「永康街」からほど近く、 大きな公園の向かいにある熱炒店。 いわゆるローカルな居酒屋である熱炒店の中でも特に地元民に愛される店のようで、いつも賑わっている。
店内席は2階のみ、プレハブのような簡素な造りで、イスもテーブルも低め。 屋外やバルコニーでバーベキューでも囲んでいるかのような感覚が楽しい。
こちらも店舗前に魚介類を並べているが、熱炒店にしては珍しく肉類の串焼きや火鍋も推しなのだとか。
店名の通り炭火焼きなので、写真の「大蛤(大ぶりのハマグリ)」など 海の味をそのままいただくのがオススメだ。 また日本人にとって苦手なメニュー上位に入る「臭豆腐」も、 炭火の包み焼きで香ばしさアップ。 普段食べないけれどここの臭豆腐なら食べられるという人も多いので、ぜひチャレンジしてみて。
台湾では春~夏のタケノコが甘くておいしく、 この時季はどの店もオススメメニューに入れている。 「冷筍沙拉」は甘めのマヨネーズが付いていて、爽やかな味でついどんどん食べてしまう。 コリコリした「冰鎮魚皮」も、ニンニクの効いた甘酸っぱいタレでビールのつまみにピッタリ。
野菜類なら、やっぱり台湾野菜「山蘇(シャンスー)」の炒めを。 大豆を発酵させた調味料「豆豉(ドウチー)」の塩分が浸み出て、これもビールがぐいぐい進む。
店内にいるビールブランドのロゴが入ったコスチュームの女の子は、 いわゆる〝ビアガール〟的なスタッフで、大体どこの店にも常駐している。 基本的には自社ブランド品をオススメしてくるが、ほかのビールでも持ってきてくれる。 ドリンク類は熱炒店なら大体どの店もセルフで冷蔵庫から取って来るシステムだが、 ビールに関しては彼女に頼んであげよう。
住:大安区新生南路二段28號
電:02-2321-4507
営:17時~翌2時
FB:八仙碳烤-179234178782679
グルメ夜市で有名な「遼寧街夜市」の中ほどにあり、地元民が夜な夜な集まる店。
日本の旅行バラエティ番組に取り上げられたこともあるほか、 昨年東京映画祭で上映された台湾映画「アリフ・ザ・プリン(セ)ス(原題:阿莉芙)」 の印象的なシーンがここで撮影され、映画ファンも時おり訪れるようになった。
スタッフのおばちゃんたちも片言の日本語で対応してくれ、 店先の魚もわかりやすく説明してくれる。 このエビは蒸し焼きにして食べるのがオススメよ、 こっちの魚は臭みがないから刺身がいいわよ、といった具合だ。
この店ではアヒル肉も有名で、「白切(蒸し)」か「煙燻(燻製)」から選ぶ。 また今の季節は真っ赤でふっくらした「臙脂蝦」がおいしい。
住:中山区遼寧街77號
電:02-2752-2142
営:16時~翌2時
URL:goo.gl/zeS4SN
FB:遼寧街鵝肉城龜山島海鮮-141303845881737
こちらは海鮮ではなく、ダックがウリの店。
それでもビールを飲みつつダック肉をつつく〝熱炒〟または〝快炒〟の店として賑わう。 本店は新北市の土城区というところにあるが、支店ともども非常に人気の店で、 ピークタイムには店の前に空席待ちの客がぞろぞろ現れる。
ダックがメインなので「半羽」(800元)から「手羽先」(40元)まで部位ごとに選ぶ。
最も一般的にオーダーされるのは胸肉「前段」とモモ肉「後段」で、 こちらも「白切」か「煙燻」のいずれかで。 サイドメニューは台南名産の魚「虱目魚(サバヒー)」や麺類なども。
店内のスタッフは常に忙しなく、ドリンクだけでなく箸やグラス、取り皿もセルフサービスとなっている。
住:中山区吉林路105號
電:02-2541-5238
営:11時半~21時
U:www.acheng.com.tw
FB:AChenggoose
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