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2019.5.15
油条(ヨウティヤオ)~浙江省杭州市~
朝食の代表格「油条」。 そのまま食べたり、豆乳に浸したり、お粥やおにぎりの具材にしたりと、様々に親しまれている。小麦粉から北方をイメージする人も多いと思うが、そのルーツは意外にも、上海からほど近い杭州にあった。
時は12世紀、中国の北方民族・金が宋を攻めた時のこと。連戦連勝で名を馳せた宋の武将・岳飛に追い込まれた金は、捕らえていた南宋の宰相・秦檜(しんかい)を内通者として送り込み、岳飛を処刑させた。結果、宋は金と和平条約を結び、人々は秦檜を売国奴と攻め立てることとなった。 今の杭州にあたる臨安にあった、隣同士の焼餅ともち米団子の店主たちもその例外ではなかった。 ある日2人は余った小麦粉を練って棒状にしたものを秦檜夫婦に見立て、油で揚げて「釜煎りの刑」にし「油炸檜」と名づけた。ところが食べてみるとおいしかったので、一緒に商売を始めたところ全国に広まった。手間を省くため、徐々に今のような2本の棒が合わさったような形となり、名前も「油条」になったという。杭州では、焼いた春巻きの皮に挟んだ「葱包棍」(約2元/個)など、アレンジを加えた食べ方で今でも親しまれている。
油条のルーツである杭州には、名所・西湖のほとりの岳王廟に跪く秦檜夫婦の像がある。その嫌われっぷりを実感しつつも、油条誕生の貢献を称えたい。
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