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【食道をゆく】滷肉飯/魯肉飯(ルーロウファン)~中国山東省~

滷肉飯/魯肉飯(ルーロウファン)~中国山東省~

台湾のソウルフードといえば、だれもが最初に思い浮かべるのは「滷肉飯」ではないだろうか。

さてこの滷肉飯、由来にはやはり諸説ある。そもそも滷なのか魯なのか、それすらしばしば論争が起きる。

一説によるとルーツは周王朝の中国山東省にあった「魯」という国。
市井の人々は貧しく豚肉を買うことなどできなかった。しかしある女性はなんとかして家族に豚肉を食べさせたいと思い、肉屋に頼んで切り分ける際に余った肉の破片や皮をもらって帰るとネギやニンニクと一緒に醤油で煮込んでみた。するとこれがめっぽうおいしく、麺やビーフンにも合うことからごはんのお供として広まっていったという。

また別の説では福建省の農民が、春節になると村で一頭の豚をつぶして神仏に供え、隣近所や親戚、友人たちと一切れずつ分け合い、それぞれの家族がみんなで食べるため、母親はさらに細かく切り分けた、とも伝えられている。

台湾の一家団欒、中国で「団圓」を象徴するかのようなエピソードを持つ滷肉飯。台湾北部ではダイス状にカットした豚バラ肉で作るが、中南部では角煮にも見える大きなブロック肉をそのまま煮込む。

日本でいうところの「玉子かけごはん」のように愛され続けるこの料理は、店によってほんの少しずつ味が異なる。台湾を訪れたなら、ぜひお気に入りの味を見つけてみたい。