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【食道をゆく】豆漿(ドウジャン、豆乳)~安徽省淮南市~

豆漿(ドウジャン、豆乳)~安徽省淮南市~

台湾の朝ごはんの定番中の定番、「油条」のベストパートナー「豆漿」。
台湾の人気歌手〝JJ〟こと林俊傑も、2007年に仲の良い恋人同士を例えて歌った「豆漿油条」という曲が大ヒット、今日でもラジオなどでよく耳にする。

この豆漿のルーツは紀元前2世紀、中国は前漢時代に遡る。漢の始祖・劉邦の孫として生まれ、後に淮南王となった劉安は、学問を愛する学者でもあった。書や琴を好み、親孝行者との評判も高かった彼は、病を患う母を献身的に世話していた。身体の弱った母のため、身体によい大豆を水に漬けてすり潰し、漉したものを毎日作っては飲ませていると、病気も次第に快方へと向かい始めた。

この話が民草で語られるようになり、全国的に豆漿が親しまれることとなった。明代に編纂された、全52巻の薬学書「本草綱目」にも「豆漿は内臓機能を高め、解毒作用がある」と記されている。

またその後、豆漿から豆腐も誕生し、淮南市は「豆腐の故郷」として知られている。今では劉安の誕生日とされる9月15日を市が「豆腐の日」と定め、毎年賑やかな祭りが行われ、劉安を奉る「淮南王宮」のある八公山を中心に豆腐料理を食べるという。

なお豆漿には無糖のほか、砂糖を混ぜた「甜豆漿」と塩味の「鹹豆漿」がある。鹹豆漿は千切った油条にザーサイ、海苔やラー油が入って食べ応え満点。ぜひ台湾的朝食を味わってみて。