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2019.4.10
餛飩(フントゥン)~中国北京市~
日本でもおなじみ、小麦粉を伸ばした薄い皮に肉餡を詰めた餛飩(ワンタン)。中華圏の各地で子どものおやつや軽食として食べられている。その呼び名も土地によって様々で、広東では「雲呑」、湖北では「包面」、江西では「清湯」、四川では「抄手」、新疆では「曲曲」…といった具合だ。それだけに由来も諸説あるのだが、ここでは漢代の異民族・匈奴(きょうど)にまつわる話を紹介しよう。
当時、今の北京周辺にあたる北方では、遊牧民族である匈奴が辺境を騒がせていた。強い勢力を持つ彼らが安寧秩序を乱すため、民も脅えて暮らす日々。その中のある村落では、渾(コン)氏と屯(トン)氏という2人の匈奴の首領が、強い権力を奮っていた。 そのストレスを解消しようとした庶民たちは、肉の餡を皮で包んだ料理を作り、それに2人の名前を取って「餛飩」(渾屯と同音)と名付けた。その料理を食べることで日頃の恨みを晴らすと同時に、平和な暮らしができるよう祈願したのだ。 初めはただ単に肉の餡を皮で包んだものを総称して「餛飩」と呼んでいたのが、その後各地に伝わるにつれ手が加えられ、都度名称も変化しながら広まっていった。
スープに入ったものや辛いタレで和えたもの、店によっては皮の厚さや餡の味付けも異なる。様々な味を堪能しよう。
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