【高雄】10/10オープン!衛武営国家芸術文化センター

写真提供:衛武營國家藝術文化中心

台湾第2の大都市、高雄の東部、鳳山区に2018年10月10日(水)オープン予定の「衛武営国家芸術文化センター」は、台湾南部初の大型文化施設です。

台湾政府・行政院による〝台湾十大建築〟のひとつとして計画され、およそ10年という長い時間をかけ着々と準備が進められてきました。

台湾には、台北市の國家兩聽院と台中市の國家歌劇院があり、こちらで3つ目。
南部最大の文化スポットとなります。
ちなみに台中市の國家歌劇院は、日本人の建築家・伊藤豊雄氏が設計を手掛けています。

「衛武営」とはこの一帯の地名で、かつては陸軍の訓練施設があった場所。
その時代の呼称が今も引き継がれているのだそう。

 

裏手へまわると附設の大きな都会公園があり、ここから建物の形が一望できます。
流線形の屋根は海に面した高雄の街にちなんで、波をイメージしたものなのだとか。
近未来感を醸しだしていて、まるで大きな宇宙船のようです。

この文化センター、オランダの女性建築士フランシーン・ホーベン(Francine Houben)氏による設計で、これまでになんと44回も高雄へ足を運び、建築を進めて来られたのだそう。

センター自体のイメージは〝ガジュマルの樹〟。
高雄が造船業で栄えた街だったことから、壁面を造船と同じ技術で建造してあり、使用したスチール板はなんと2300枚!
中央のこの広場は文化センターの〝港〟ということになります。

4つのホールに囲まれたこのスペースは、その名も「ガジュマル広場(榕樹廣場)」。
〝半屋外型〟の造りで、音楽やステージなどパフォーマンスを観賞しに来る人々だけでなく、市民の憩いの場として利用されることを目的に作られています。
夏の台湾は猛暑ですが、ここは風の通り道を確保しながら完全に日光を遮断してあるので、とても気持ちよく過ごせます。

10月のオープンを前に、ここではすでに様々なイベントを開催中。
取材で訪れた時には「100人ヨガ」なるイベントが行われていました!

大人から子どもまで、無料で参加できます。

シタールやタブラ、レインスティックなど
ガムラン音楽の生演奏をBGMに

ほかにも週末には映画の上映会やダンス、ミニコンサートなど市民参加型のイベントが計画されているそうです。

トップライトからの採光が、
木漏れ日のように降り注ぎます。
ホールの中からも空中庭園のように
広場を見下ろすことができます。

ホール入口横に表示されているのは、なんと海抜。
基準となっているのは台湾北部の街・基隆だそうです。
センター外観を船とすると、
この表示はさしずめ船の喫水線でしょうか。

この芸術文化センターは4つのホールを有しており、合計で5906席、およそ6000人もの人を収容できるんです。
国家レベルの芸術ホールですから、国内だけでなく、海外からの観客が来場することも想定しているんでしょうね。

1.オペラハウス(歌劇院)

オペラハウスは全2248席、オペラや大型の演劇、舞踏劇などあらゆるパフォーマンスに適しています。

もちろん観客席は伝統的なオペラハウス同様、風格ある馬蹄形。

舞台前方のオーケストラプールの面積は80平米。
長大かつ大がかりな作品で知られるリヒャルト・シュトラウスの「ばらの騎士」でさえ、ここでは悠々と上演することができるんです!

舞台の機械設備はコンピュータ操作によってコントロール。
台湾では初めての完全オートマティックホールなのだそうです。

2.コンサートホール(音樂廰)

2012席のコンサートホールは、この芸術文化センターでも最も大きな〝ハコ〟。

客席をいくつかのブロック群に分け、そのブロックに段差を設けて配置したこのホールの形状は、「ヴィンヤード式(ワインヤード式)」。

「ヴィンヤード」とは英語で「ブドウ畑」のことですが、なるほど段差が棚田のように見えますね。

この造りによって、客席内の壁面を利用した反射音響を得ることができ、異なる高さに座る観客が同じ音量・音質で楽しむことが可能になっています。

世界でもベルリン・フィルハーモニーホールやライプツィヒ・ゲバントハウス、カーディフ・セント・ディヴィッドホール、東京サントリーホール、札幌コンサートホールKitaraなどがこの構造を採用しています。

さらにステージ部分の天井も吊り下げ式、オーケストラの規模によって高さや角度を調整し、最も適した音を観客に届けます。

またこのホールで注目したいのが、舞台の両サイドに据えられたパイプオルガン。

ドイツで100年の歴史を持つ「ヨハネス・クライス社(Johannes Klais Orgelbau)」に、このホールに合わせて特別オーダーしたもので、9085本のパイプを有しています。

ちょうどテスト演奏中に見学させていただいたのですが、ホールのどこにいてもすばらしい反響。

3.プレイハウス(戯劇院)

こちらのプレイハウスは全1212席、各種演劇や舞踏作品などパフォーマンスを上演するスペースです。

「プロセニアム・アーチ」という観客席からみて舞台を額縁のように区切る構造と、舞台が観客席に向かって突き出し、複数の方向から観客が舞台を囲む「張り出し舞台型」の2種の設備で、演者と観客の距離感や体感度などを演目によって変えることができます。

4.リサイタルホール(表演院)

この芸術文化センターで最も小さいホールで、全434席。

室内管弦楽やソロリサイタル、小型の舞台劇などに使用されます。

先ほど「ヴィンヤード式」のホールを紹介しましたが、こちらは「シューボックス式」といって19世紀ヨーロッパで最も多く使われていた構造ですが、ヴィンヤード式とは異なる特性を持っています。ヴィンヤード式は会場が広いため、観客がステージをより近く感じつつ音響をキープするもの、こちらは広さに対しベストの音響効果が得られ、壁の構造がそのまま音の吸収・反響状態をベストの状態にするものだそうです。

 

最後にぜひともお見せしたいのがこちら。
各ホール、客席の下に空調設備が設けられています。それもなんと1席に1つずつ!

多くの施設において、空調設備というものは天井か天井近くの壁面に設置されていますが、そうするとずっと下の方にいる観客まで届かせるには工夫が必要になってきます。

風量を大きくする?それとも温度を過度に上げたり下げたりする?
いいえ、ここでは空洞になった床の下からそっと風を送るだけなので、空調特有の音や風を感じず、環境にも配慮しています。

 

今回ご紹介した衛武營文化芸術センター、オープンは2018年10月10日(水)!

すでに公式サイトにてチケットが売り出されていますが、年内に170人のアーティスト・グループによるプログラム70本が予定されています。

会員システムや前売、早割などもありますので、まずは演目を要チェック!

 

衛武營國家藝術文化中心

住所:高雄市鳳山区三多一路1號
Tel:+886-7-262-6666
Mail:service@npac-weiwuying.org
Facebook:weiwuyingartsforall

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