台湾を10倍楽しむための最新情報誌!!
2019.7.1
台湾に属しながら中国大陸に隣接する離島・金門。
かつて戦地となった歴史的背景や、東南アジアから里帰りした華僑の文化など、
台湾とも中国とも似て非なる風景が広がる。
青く広い海、色彩豊かな建造物、そして南国らしいグルメの数々。
新鮮な驚きを見つけに、いま旅立とう。
台北・台中・台南・高雄・嘉義からマンダリン航空またはユニ・エアのフライトあり。
所要時間約1時間、往復3000~4500元。
中国からの場合はアモイ(厦門)か泉州から船便利用で各30分と70分。
はるか海のかなた、歴史ロマンと異風景の広がる島
金門縣は本島である大金門と、烈嶼(リエユー)または小金門と呼ばれる2つの島のほか、周辺に散らばる計12の島から成っており、約6000年前の晉朝に中国から移り住んだ人々が拓いたとされている。現在は中国と台湾の両者が所有権を主張している状態で、台湾よりも中国との距離が近いことから度々軍事拠点となり、今も戦跡が数多く残り、独特な風景が広がる。
…ということで、金門とはさぞやミリタリーな島なのかと思いきや、中華圏では観光地として人気のスポットに溢れ、空港に降り立つとまるで沖縄のようなのどかな景色、ゆったりとした時間が流れ日常とは異なる趣き。厳めしい戦争の跡と裏腹に色彩鮮やかな建築、どこまでも高く広い空に青い海。現代的な台北や台中、高雄とひと味もふた味も違う旅を楽しもう。
金門の観光スポットは島全体に点在しており、バスも本数が少なくダイヤの乱れもしばしばと、交通面が不便。そのため観光に訪れる人はほとんどが車やバイクをレンタルして移動する。宿泊施設でもレンタル店と提携していることがあるので聞いてみると割引も受けられてお得だ。
なお車やガソリンバイクは免許が必要だが、電動バイクは免許なしでOK。大きな道以外は車もほとんど通らないし、なんといっても風を切って海沿いを走るのがサイコーに気持ちいい!
今回取材班がいくつかの店で価格を聞いてみたところ、1台600〜800元が相場のよう。取材班が借りた店は島内に全4店舗でバッテリー交換に便利だし、空港の向かいにも店舗があるので着いたらすぐ借りて移動しよう。
新研租車(シンイェンズーチャー) 住:(空港店)金門縣金湖鎮正義里尚義100號 (大客車駐車場を挟んで向かい) (金城店)金城鎮民生路19號 電:082-330-493、082-327-194 営:8時〜22時 URL:www.kinmenbattery.com.tw /kinmenbattery/index.php (※画面左下の「快速予約」から予約可能) ¥:1日(24時間)当たり600元
最も賑やかな金城エリアのさらに中心部、土産物店が立ち並ぶ赤レンガ建築の通り。シンガポールやマレーシアに移民した華僑の建築様式「五脚基」をベースに洋風と中華風の折衷建築が芸術的な美しさを持つとして「模範街」と呼ばれている。B級グルメの有名店も多いので、食べ歩きがオススメ。
元朝に中国のアモイから「薛」という姓を持つ一族が移り住んだ集落。中央の池と薛氏の廟を取り囲むように家屋が放射状に配され、風水で吉相とされる町並みを作っている。建物は素焼きレンガと、交趾焼きのカラフルタイルで彩られ、思わず写真に収めたくなる。近頃は「薛永南兄弟洋館」や「大夫第」など十数軒が民宿として営業、観光客に大人気だ。
珠山大夫第(ジューシャンダーフーディー)
住:金門縣金城鎮珠山41號
電:0963-166-171
URL:bit.ly/2WSGKGd
こちらも「黄」一族を主とし形成された集落。東南アジアで財を成した黄氏が建てた高層建築「得月楼」や、風から金門を守る土地神「風獅爺(フォンシーイエ)」の博物館などがある。またこのエリア唯一のレストラン「金水食堂」では地域の名産と伝統的な料理が食べられる。
金水食堂
住:金門縣金城鎮前水頭48號
電:082-373-919
営:11時〜14時、17時半〜20時(火曜休み)
1958年からおよそ20年間に渡り、中国からの砲撃が続く中5年を費やして作られた坑道。外には自動小銃や戦車などが展示されるほか、内部は音の反響を利用して毎年秋にオペラコンサートも開かれている。中はとにかく涼しいので、日中の熱い時間帯に避暑ついでに訪れよう。
翟山坑道
住:金門縣金城鎮90號
営:8時半〜17時
1日に約1時間程度、干潮になると現れる石畳の道を歩いて渡れる水頭埠頭近くの小島。道の両脇には小さなシオマネキやカブトガニなどが見られ、潮の干満の差を示す「牡蠣人」と呼ばれるオブジェも。北端には鄭成功の像が故郷の福建省を臨んで立っている。
※干潮の時間はwebサイト(bit.ly/2Y39Cg7)から確認。
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